【ア:標題】
ひざ関節に違和感がある健常成人男女を対象としたラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)含有食品の摂取によるひざ関節の違和感に対する影響 -ランダム化二重盲検プラセボ対照並行比較試験-
【イ:目的】
ランダム化二重盲検プラセボ対照並行比較試験の方法にてひざ関節に違和感がある健常成人男女を対象としたラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)の摂取によるひざ関節の違和感に対する影響について臨床試験を実施し、検証すること。
【ウ:背景】
白ウコンは, 春ウコンや秋ウコンの代表的な成分とされるクルクミンを含まず,ラブダン型ジテルペン類(精油成分;主成分として(E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dialを85~90%含有)を含む。ラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)は, ショウガ, ウコン, ハナミョウガ属の植物などに微量に含まれており, 白ウコンには特徴的なラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)が他の植物の80-100倍近く含有されている。このラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)を含むウコン葉抽出液にはin vitroにおいてヒアルロン酸を分解する酵素を抑制する作用が確認されており, 関節液(ヒアルロン酸)の分解抑制作用が期待できると考えられている。軟骨や関節液になんらかのトラブルが発生すると, 滑膜が反応して異常に増殖することにより関節液の分泌が損なわれ, 滑膜内の炎症が進行することで痛みが発生するとされている。ラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)を含む食品はすでに既に当該製品と全く同一の製品を日本国内で健常成人男女を対象として2015年から2019年にわたり5万6千個以上販売していた(発売は2019年まで。2020年以降、新商品に切り替え。)が、現在まで重篤な健康被害の報告はない。これまで, 2回にわたりラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)を用いた臨床試験について報告してきた。
【エ:方法】
試験食品は1日摂取量(2カプセル)あたりのラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)摂取量が0.11mgとなるように調製したものを用いた。対照食品(プラセボ食品)は盲検性が担保されるように同等の外見を有する食品であり,試験食品からラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)を除いたものとした。試験デザインはランダム化二重盲検プラセボ対照並行比較試験とした。本試験において試験食品の摂取期間は12週間とした。なお、試験食品は、1日1回、朝食後に2カプセルを水またはぬるま湯とともに噛まずに摂取させた。主要評価項目をひざの違和感とし、評価指標として、「JKOM(変形性膝関節症患者機能評価尺度)」と「VAS」を用いた。また、副次評価項目として、ADL評価とEQ-5D-5Lを用いたQOL評価を実施した。
【オ:主な結果】
ラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)0.11 mg/日の12週間の摂取はプラセボと比較して統計学的に有意にひざ関節の違和感(曲げ伸ばし時の痛み)を改善した(p=0.01)。また試験期間中にラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)摂取における有害事象は確認されなかった。以上より, ラブダン型ジテルペン類((E)-Labda-8(17),12-diene-15,16-dial)は健常成人男女のひざ関節の違和感(曲げ伸ばし時の痛み)の改善に有効かつ安全である。
【カ:科学的根拠の質】
本試験は、第三者で組織するチヨダパラメディカルケアクリニック倫理審査委員会の承認(令和2年5月15日承認)を経た後、UMIN臨床試験システムへの登録(UMIN試験ID:UMIN000040804)を行い、「ヘルシンキ宣言」の趣旨に則り「人を対象とする医学的研究に関する倫理指針」を遵守し、責任医師の管理下で実施した。結果の信憑性が高い、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行比較試験で行い、査読付学術雑誌「薬理と治療」にCONSORT2010声明に準拠して報告されている。これより、届出食品はひざ関節の曲げ伸ばし時の違和感を軽減する機能を有すると評価した。 |