(ア)標題
赤シソ由来ロスマリン酸の摂取が目の不快感に及ぼす影響
(イ)目的
赤シソ由来ロスマリン酸の目の不快感の軽減効果について評価することを目的とした。
(ウ) 背景
シソ(紫蘇)はハーブや香味野菜として知られており、梅漬けや梅干し、ふりかけなどで日本人に馴染みが深く、シソジュースやシソオイルとしても利用される。近年、シソの抗アレルギー・抗炎症作用が注目されており、その活性成分としてロスマリン酸が見出されている。
その一方、近年、目の不快感に悩む人の増加は著しく、それを原因とした労働生産性の低下などが社会問題化している。
(エ) レビュー対象とした研究の特性
既報の健常者を対象とした臨床試験について、リサーチクエスチョン及びPICOを設定して5種類の文献検索データベース(PubMed、JDreamIII、医中誌、CiNii、UMIN-CTR)を元に、赤シソ由来ロスマリン酸による目の不快感の軽減作用についてシステマティックレビューを実施した。
(オ) 主な結果
システマティックレビューを実施した結果、赤シソ由来ロスマリン酸を用いた二重盲検無作為化比較試験(RCT)の論文1報を採用した(Hirohisa T. et.al., Exp. Biol. Med., 339(3), 247-254(2004))。同論文では主要アウトカムである目や鼻の各症状スコアの改善例を評価した結果、赤シソ由来ロスマリン酸として1日50mg~200mgを21日間(3週間)摂取することで、プラセボ群と比較して50mgでは流涙や目のかゆみ、200mgでは目のかゆみにそれぞれ統計学的に有意な改善が認められた。
(カ) 科学的根拠の質
エビデンス評価を実施した結果、機能性関与成分の赤シソ由来ロスマリン酸には成人に対する目の不快感の軽減について科学的な根拠を有していると考えられた。
限界として論文が1報しかないこと、被験者数が少ないことなどを考慮すると、エビデンスの質を高めるためにも今後、更に質の高い試験の実施が望まれる。
なお赤シソ由来ロスマリン酸の同等性について、採用論文ではシソ葉から酸性水で抽出された抽出物を用いている。本届出食品は論文と同様の方法で抽出した赤シソ由来ロスマリン酸を配合したハードカプセルで、論文とHPLCチャートもほぼ一致しており、ロスマリン酸の吸収や効果には剤型の違いによる差はないと考えられる。また本届出食品では赤シソ由来ロスマリン酸量を規格化しており、単一成分としての純度も十分高いことから、採用論文と本品のロスマリン酸の同等性は高いものと考えられた。 |