1.喫食実績による食経験
本届出品は、日本国内で2016年12月から販売されており、その累計出荷数は2019年11月30日時点で30粒入り960,502袋、33粒入り77,626袋であり、173,435人に飲用されている。お客様からは1,431件の健康被害情報のお申し出があり、このうち28件については医師が当該製品に起因する症状の可能性を示唆したが、アレルギーや「体質にあわない」等の理由で個別事例とするものが殆どであった。医師から当該製品に特別な有害性がある旨の報告は受けていない。また、これらのお申し出に関して死亡等に繋がる重篤な有害事象の報告はない。
2.既存情報を用いた食経験及び安全性
経口摂取による副作用として、胃腸症状、めまい、不眠、疲労、頭痛、筋肉痛、高血圧症が報告されている。また、妊婦、授乳婦に対して、「抗アンドロゲン作用、抗エストロゲン作用があり、おそらく危険であるため、摂取を避けること。」と記載があり、妊娠中・授乳中の摂取についての危険性が示唆されている。しかしながら、「適切に摂取する場合おそらく安全である。」と記載があり、健常者が適切に摂取する場合の特別な危険性は報告されていなかった。また、欧州植物療法科学協会のモノグラフでは、ヒト試験やラットを用いた試験においてノコギリヤシエキス(以下SPE)による有害事象の報告はなかった。
・過剰摂取試験
健康な男女にSPE2,000mg/日を4週間摂取させた試験において、試験期間中で副作用を経験した被験者はいなかった。また、被験者22名中4名で有害事象が発生したが、これらの症状と被験食品の摂取との因果関係はないと判断された。さらに、アレルギー症状は認められなかった。
・過剰摂取・長期摂取試験
適格な中高年男性に、SPEを段階的に摂取(6ヶ月毎に320mg/日、640mg/日、960mg/日)させた試験において、被験食品とプラセボ両群合わせて36件の重篤な有害事象が確認されたが、有意な差はなかった。また、両群で死亡例はなく、非重篤な有害事象についても、両群に有意な差はなかった。結果として、被験食品は毒性を示さなかった。
3.医薬品との相互作用
抗アンドロゲン薬、アンドロゲン薬、経口避妊薬、出血リスクを高める抗凝固薬等の薬との相互作用を示す可能性がある為、医師への相談が必要である。
以上より、当該製品の安全性評価は十分であると判断した。 |