【標題】魚由来低分子コラーゲンペプチドによる肌の角質水分量および肌の弾力の保持に関するシステマティックレビュー
【目的】「肌の乾燥が気になる健常者に(P)」、「魚由来低分子コラーゲンペプチドを摂取させると(I)」、「プラセボの摂取と比較して(C)」、「肌の角層水分量と肌の弾力性を保持するか(О)」を検証するために、研究レビューを実施した。また、低分子コラーゲンペプチドとは、平均分子量が1,000以下のコラーゲンペプチドを指す。
【背景】魚由来低分子コラーゲンペプチドの経口摂取後に血中に存在することが確認されたペプチドは、肌の角層水分量および肌の弾力を保持する効果に寄与することが報告されている。魚由来低分子コラーゲンペプチドは、平均分子量1,000以下まで分解したもので、体への吸収性が高いことから、低用量での肌の角層水分量及び肌の弾力を保持する効果があることが期待される。魚由来低分子コラーゲンペプチドの経口摂取による、肌の角層水分量および肌の弾力を保持する効果を網羅的に解析した研究レビューはないため、新たに研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】1981年から2021年1月21日までの研究論文を対象とし、PICOに該当する文献について、JDreamIII(JSTPlus、JMEDPlus)、PubMed、Cochrane Libraryの検索データベースを用いて検索した。採用された文献は、ガイドラインに基づき、バイアスリスク、非直接性、不精確性、非一貫性及びアウトカムを評価し、総合的に検証した。
【主な結果】該当した2報のRCT研究文献からエビデンス総体として、魚由来低分子コラーゲンペプチドを1日当たり2,500mg以上摂取することにより、肌の乾燥が気になる健常人の肌の角層水分量と肌の弾力を保持することが示された。採用文献2報における肌の角層水分量および肌の弾力性の測定は一部の部位で行われたが、魚由来低分子コラーゲンペプチドの作用機序は一部の部位に特有のものではないことから、全身にも外挿可能と判断した。よって、魚由来低分子コラーゲンペプチドには、肌の角層水分量保持および肌の弾力を保持する効果があると考えられる。
【科学的根拠の質】
バイアスリスク総体として中程度、非直接性は中程度、不正確性、非一貫性は低程度と評価した。エビデンスの質と総合的な評価より、魚由来低分子コラーゲンペプチドは、継続的な経口摂取により、角層水分量および肌の弾力を保持する効果を有すると結論づけられた。 |