[標題]DHA・EPAの血中中性脂肪の低下に関するシステマティツクレビュー
[目的] 疾病に罹患していない者(未成年、妊産婦(妊娠を計画している者含む)、授乳婦は除く)が、DHA・EPAを摂取することにより、血中の中性脂肪(TG)が低下するかを検証しました。
[背景]DHA・EPAが血中中性脂肪を低下させるという臨床試験は、世界中で多数あります。2011年には、DHAとEPAの共通した薬理効果は、血中TG低下作用のみとの研究レビューWei MY, Jacobson TA, “Effects of eicosapentaenoic acid versus docosahexaenoic acid on serum lipids: A systematic Review and Meta-analysis.” Curr. Atheroscler Rep.,2011, 13(6):474-483) が発表されています。2010年には、DHA・EPAを含む長鎖ω3脂肪酸200~500mg/日摂取で、摂取量依存的に血中TG値を3.1~7.2%低下させることが明らかにされていました(Musa-Veloso K, et.al., “Long-chaine omega-3 fatty acids eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid dose-dependently reduce fasting serum triglycerides.”, Nutr Rev.,2010,68(3):155-67)。今回のレビューでは、これらレビュー内容の確認をいたしました。
[レビュー対象とした研究の特性]
研究デザイン:ランダム化比較試験対象集団の特性:疾病に罹患していない者(未成年、妊産婦(妊娠を計画している者含む)、授乳婦は除く)
検索データ・べース:PubMed, Ovid-medline,JDreamⅢ-medline, JMED Plus, 医学中央雑誌,メデイカル・オンライン
検索日:2016年6月16~24日
[結果]
血中TG値を主要または副次的アウトカムとした研究論文を対象として定性的システマティツクレビューしました。最終的に評価した論文は11報で、8報で血中TGの有意な減少が、有意差はないが低下を示したのは3報ありました。有効性を肯定する報告からDHA・EPA摂取総量として1日当たり154~1,620mg、3~24週間摂取することによって、血中中性脂肪値が低下することが期待できると判断しました。従って当該商品の1日の摂取目安量を「DHA・EPA 420mg(DHA265mg+EPA155mg)」とすることは妥当と考えます。
[科学的根拠の質]
本システマティツクレビューの限界は、対象者を日本人に限定した場合、疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む)、授乳婦は除く)を対象とした論文が少なかった。しかし、採用した非日本人を含めた論文の非直接性、不精確性等は問題なく、エビデンスの強さはAが多く、科学的根拠の質は高いと判断しました。当該商品のDHA・EPA含有量420mg/日 (DHA265mg+EPA155mg/日)は有効性の観点から妥当と考えられます。 |