すっぴんレモン(以下、申請品)は1本当たりクエン酸を3000mg含んでいる。クエン酸は柑橘類等に含まれる有機酸であり、食品添加物として食品に酸味を付ける用途等で広く用いられている。クエン酸(α-ヒドロキシ酸)の安全性に関しては、副作用はほとんど知られていないが、まれに胃腸の不調を訴える人がいるとされ、11歳女児がスポーツドリンクだけを2 L/日、一週間程度摂取したところ、代謝性アルカローシスを呈した事例がある(1)が、クエン酸の摂取量は不明である。国民1人1日当たりのクエン酸摂取量は約2200mgとなっている。(2)果実ジュース等に含まれるクエン酸の量は、レモンやライムの果実から絞ったものは48g/Lや46g/L、濃縮還元ジュースは34-39g/L、グレープフルーツジュースでは25g/L、オレンジジュースでは17g/Lとされている(3)。果実ジュースは200ml入り製品も多数販売されており、本申請品が含有するクエン酸3000mgは果実ジュース等で摂取される量と大差なく、十分な食経験があると考えられる。健常成人に対してクエン酸8100mgを4週間継続摂取した過剰摂取試験(4)、2700mgを12週間摂取した長期摂取試験(5)において、いずれも有害事象は認められず、安全性は十分であると考える。
(1)国立健康・栄養研究所http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail25.html (2)平成16年10月14日付け府食第1035号(別添2)「タケダ健茶園TACC茶」に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案) (3) KRISTINA L. PENNISTON et.al Quantitative Assessment of Citric Acid in Lemon Juice, Lime Juice, and Commercially-Available Fruit Juice Products. J Endourol. Vol.22 No.3 Page.567-570(2008) (5)レモン果汁飲料の過剰摂取における安全性 岡田実紀ら,Health Sci 23巻3号,p.210-218(2007) (6)レモン果汁飲料の長期摂取における安全性 岡田実紀ら,Health Sci 24巻1号,p.118-124(2008) |