1.標題:
「グルコサミン エラスチン プラス」摂取による、ひざ関節機能への効果について
2.目的:
膝関節痛の自覚症状がありひざ関節の動きに悩みをもつ健常な中高年男女を対象とし、当該製品を12週間摂取した人が、機能性関与成分を含まない粒(以下、「プラセボ」 と記載する)を摂取した人と比較し、膝関節機能が改善されるか検証することを目的とした。
3.背景:
日本では、50歳以上の約1,000万人が変形性膝関節症による膝痛を経験していると言われており、今後、ますます運動器疾患による要介護者数が増加するものと考えられる。これらの状況から、運動器疾患の予防・改善が人々のQOL(生活の質)向上を実現させるのに重要である。
運動器疾患の予防・改善が期待される機能性素材として既に報告があるグルコサミンは関節軟骨維持作用をもっている。一方、エラスチンは関節を支持・安定化させている靭帯の構成成分であるが、加齢とともにエラスチンが減少することで靭帯機能や張力の低下を引き起こすと考えられる。
そこで、抗炎症作用及び関節軟骨維持作用が報告されているグルコサミン(成分名:グルコサミン塩酸塩)と、靭帯改善という観点からカツオ由来エラスチンペプチドを併用摂取することによる膝関節痛への効果を確認するため、ヒト臨床試験による検証を行った。
4.方法:
本臨床試験に係る被験者は、年齢45歳以上75歳以下の日本人中高年の男性及び女性で膝関節痛の自覚症状があり、医師の所見により膝関節炎などの診断が成されておらず、注射薬や内服薬の投薬を受けていない、かつ治療を受けていない健常領域の者であり、疾病に罹患している者は含まれない。上記対象者21名に対し、ヒト臨床試験(無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)を行った。3分の1の方には「グルコサミン(成分名:グルコサミン塩酸塩)1000mg、カツオ由来エラスチンペプチド75mg併用(届出商品設定)」 を、3分の1の方には「カツオ由来エラスチンペプチド75mg単独配合」 を、残り3分の1の方には「プラセボ」を、就寝前に水またはぬるま湯で12週間摂取いただき、摂取前と摂取6週間後、12週間後の膝の状態変化の調査を行った。
※なお上記試験は、小ロットの製造ラインで製造した試験食品(以下、試験食品)を用いており、届出商品の賦形剤(粒を形成するための食品原料)と異なるが、これは大量生産向けに保存性および安定性を向上させ、より良い品質を確保するために、賦形剤の改良を行ったものである。両者の同一性については、届出商品は「試験食品」と同じ錠剤であり、賦形剤は、賦形剤そのものが生体に影響を与えないこと、そして機能性関与成分に物理的または化学的な影響を与える報告がないこと、さらに胃の中で崩壊し胃液にかなり希釈され微量になることを考え併せ、機能性関与成分の消化・吸収過程や試験食品の機能性に影響を与えないと考察した。また、届出商品に含まれる機能性関与成分量(グルコサミン塩酸塩1,000mg、カツオ由来エラスチンペプチド75mg)は試験食品に含まれる量を担保している。
以上のことから、届出商品と試験食品との機能性の同一性が失われていないと判断した。
5.主な結果:
ヒト臨床試験を実施し、日本版変形性膝関節症患者機能評価表(Japanese knee Osteoarthritis Measure,JKOM)、運動量調査、日誌による膝状態に関するアンケートによる評価を行った。JKOMアンケートの結果、グルコサミン(成分名:グルコサミン塩酸塩)とカツオ由来エラスチンペプチドの併用摂取によって、「膝の痛みの程度(VAS)」については摂取前と比較して摂取6及び12週間後に有意な改善が確認できた。また、「膝の痛みやこわばり」「日常生活の状態」「普段の活動」における膝の痛みに関するスコア合計について、摂取前と比較して摂取6及び12週間後に有意な改善が確認でき、プラセボ群と比較して摂取12週間後に有意な改善が確認できた。運動量調査では有意な改善はなかったが、摂取12週間後にプラセボ群と比較して歩数が改善する傾向がみられた。膝の状態に関するアンケート調査では、「しゃがみ込みや立ち上がり」「階段昇り降り」 といった靭帯の張力が重要であると考えられる項目で、プラセボ群と比較して有意な改善が確認できた。従って、グルコサミン塩酸塩とカツオ由来エラスチンペプチドの併用摂取は、膝関節機能の改善に有用であるとの結論に至った。
6.科学的根拠の質:
本試験は、臨床試験の受託研究機関の臨床試験室において、試験統括医師指導の下、医師の所見により膝関節炎などの診断が成されていない45歳以上75歳以下の日本人中高年男女の健常領域の者を対象に実施している。また、芝パレスクリニック倫理審査委員会を設置し、その承認の下、試験計画書の策定を行い、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則に準じて実施されたものである。
研究デザインが無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験であるため、エビデンスの質は高いと考える。また本試験は、国際的にコンセンサスの得られた指針に準拠した形式で査読付き論文として公表されている。
本試験で改善が確認された項目は、膝関節の動きに対して有用であることが確認されたため、ひざ関節の動きが気になる健常な中高年の方へも同様に有用な改善が期待できると考えられる。
以上のことから、届出商品の機能性表示は適切であると判断した。
(構造化抄録) |