【標題】Lactiplantibacillus plantarum SNK12株(以下SNK12とする)のストレス緩和作用に関する研究レビュー
【目的】健康な成人男女を対象に、SNK12の一時的な精神ストレスを緩和させる作用をプラセボ群と比較した臨床試験論文を総合的に評価した研究レビューで明らかにすることを目的とした。
【背景】SNK12の摂取は、ストレスフリーおよび慢性社会的ストレス条件下でマウスの脳海馬における神経栄養因子、神経栄養因子3、γ-アミノ酪酸受容体のmRNA発現を高め、学習能力およびうつ様行動の改善傾向を示していることから、SNK12の摂取により気分の安定や改善につながることが期待できる。しかしながら、機能性関与成分の機能性について総合的に評価した研究レビューがないため、本レビューにて検証した。
【レビュー対象とした研究の特性】2022年9月14日に医中誌とPubMedのデータベースを用いて検索した。医中誌を用いてSNK、ストレス、ヒトで検索したところ残った論文は0報であった。また、PubMedを用いてSNK、stress、human、double blindで検索したところ残った文献は1報あり、肯定的な論文であったためこの論文について評価を行った。一方、出版バイアスの可能性は否定できないと考える。
【主な結果】健康な成人男女66名を対象にSNK12を50mg(1,000億個)、150mg(3,000億個)、4週間経口摂取した際のストレスに及ぼす影響について無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験が行われた。その結果、プラセボ群に比べてSNK12の内服は、いずれの群においてもストレス負荷後の総合的な気分状態を表す得点を有意に低下させた。以上のことから、SNK12の4週間にわたる服用は、仕事や勉強などに伴う一時的な精神的ストレスを軽減する可能性が期待される。
【科学的根拠の質】採用された論文1報は無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験であった。また、UMIN-CTRの活用が進んでいないことから、出版バイアスの可能性は否定できないと評価された。SNK12を1,000億個/日摂取することで仕事や勉強などに伴う一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレスを緩和する機能があることが示され、表示しようとする機能性は適切であると判断した。 |