ア)標題
「ジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3による記憶・認知機能への効果」
(イ)目的
健常な男女を対象に、当該製品(機能性関与成分ジンセノサイドRg1 0.72㎎,Rb1 5.10㎎,Rg3 1.98㎎/日配合)を摂取したグループとプラセボ食を摂取したグループを比較して、記憶・認知機能への影響について評価を行った。
(ウ)背景
朝鮮人参は古来より最も親しまれてきた生薬の一つである。一般的に、滋養強壮や栄養補給を目的として用いられてきたが、神経系に作用することで、認知機能改善に効果があるものと期待されている。しかし、健常者の認知機能に対する科学的証拠は依然として不十分である。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
本研究においてプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施し、韓国産朝鮮人参サプリメントを6週間接収した際の認知機能に及ぼす影響について評価を行った。30人の60歳以上の健常な被験者を対象とし、3つの試験:ベントン視覚記銘試験、改訂版ストループテストII、ならびにミニメンタルステート検査(MMSE)を用いて、認知機能変化を測定した。
(オ)主な結果
30人の被験者は15人ずつの2つのグループに分けられ、それぞれ1日2パックの朝鮮人参サプリメント、またはプラセボを6週間摂取した。2パックの朝鮮人参サプリメントには7.8 mgのジンセノサイドが含有されている。6週間後、試験群にのみ、ベントン視覚記銘試験における統計的に有意な認知機能向上が認められ、プラセボ群には有意な変化が見受けられなかった。また、改訂版ストループテストIIにおいても、試験群のみに緩やかな認知機能向上が確認された。他方で、MMSEからはどちらの群においても有意な変化は得られなかった。
これらの実験結果から、毎日の朝鮮人参サプリメントの摂取により、とりわけ視覚機能に関する認知機能に、有益な効果のあることが示された。朝鮮人参サプリメントが健康とクオリティオブライフ(QOL)改善に大きな可能性のあることが示唆される。
カ 科学的根拠の質
本研究は、無作為化二重盲検プラセボ対照試験という、可能な限りバイアス(被験者選択上の偏りや、被験者、研究者の思い込み等による影響)を排除したデザインとなっており、信頼性は高いと判断できる。 |