【認知機能】
ア.標題
DHAが認知機能に与える影響に関する研究レビュー
イ.目的
誰に P) :疾病に罹患していない成人に
何をすると I) :DHAを摂取させることは
何と比較して C) :プラセボ摂取、もしくはDHA介入なしと比較して
どうなるか O) :認知機能に対する有効性が認められるか
研究デザイン S) :ランダム化比較試験(RCT)
ウ.背景
認知機能に対するDHAの効果については、数多くの報告がある。しかし、疾病に罹患していない成人に着目して研究結果全体をまとめたレビューは限られている。そこで、これまでの国内外の知見を精査し、標題の研究レビューを行った。
エ.レビュー対象とした研究の特性
文献の検索は、RCT(対象者をランダムに2つのグループに分け、一方は評価しようとするもの、もう一方には対照となるものを摂取させて比較する臨床試験)であること、DHAを摂取させる試験であること、疾病に罹患していない成人を対象としていることを条件に実施した(最終検索日2016/8/2)。なお本研究レビューは、届出者以外の第三者機関が実施した。
オ.主な結果
認知機能の一部である「記憶」および「判断・実行」において群間比較によるDHA摂取の有効性は、それぞれ7報の文献で認められた。これらの文献における1日当たりのDHA摂取量は480~1,720 mgであった。また、効果が認められた試験は、提示された数、ことば、図形などの情報を覚え込み、維持した情報を思い出して、思い出したことが正しいか確認するといった一連の脳内の作業を評価していた。これらの知見に基づき、本製品の表示しようとする機能性は、「DHAには中高年の方の認知機能の一部である記憶力(数・ことば・図形などの情報を記憶し、思い出す力)を維持する機能があることが報告されています。」とした。
当該製品は一日当たりの摂取目安量中にDHA 1,100 mgを含む食品であり、当該機能の効果が期待できるものと判断した。
カ.科学的根拠の質
採用文献の各種バイアス・リスク(偏りの危険性)は中程度、エビデンス(科学的根拠)の強さは中(B)と評価した。
幅広い年代の男女で機能が認められていた。また、効果を認められた文献のうち日本で実施された研究報告は3報あり、当該機能性において人種間に差異が認められるとした報告も無いため、日本人への外挿性(結果の日本人への適用)に問題はないと考えられる。ただし、本研究レビューの限界として、サンプリングバイアスや言語バイアスが完全には否定できないことが挙げられる。
【中性脂肪】
ア.標題
DHA・EPAの経口摂取による中性脂肪値低下作用に関する研究レビュー
イ.目的
誰に P) :疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者
何をすると I) :DHA・EPAの経口摂取
何と比較して C) :プラセボの摂取、もしくはDHA・EPAの介入なし
どうなるか O) :中性脂肪値の低下が認められるか
研究デザイン S) :ランダム化比較試験(RCT)
ウ.背景
DHA・EPAの経口摂取による中性脂肪値を低下させる機能については多数の報告があるが、疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者に限定した場合における有効性は明確でなかった。そこで、これまでの国内外の知見を精査し、標題の研究レビューを行った。
エ.レビュー対象とした研究の特性
文献の検索は、RCT(研究の対象者をランダムに2つのグループに分け、一方には評価しようとするものを摂取させ、もう一方には対照となるものを摂取させて比較する臨床試験)であること、DHA・EPAを摂取させる試験であること、疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者を対象としていることを条件に実施した。なお本研究レビューは、届出者以外の第三者機関が監修した。
オ.主な結果
検索により37報が研究レビューの対象となり、疾病に罹患していない者を対象とした16報のうち10報、中性脂肪値がやや高めの者を対象とした21報のうち15報が、当該の機能性を認めていた。
また、群間比較において当該機能を認めた報告において、1日当たりのDHA・EPAの摂取量は133~10,440 mg、摂取期間は3~14週間であった。
本製品は1日当たりの摂取目安量中にDHAとEPAの総量として1,500 mg含むため、当該機能に対する有効性が期待できるものと判断した。当該製品の1日摂取目安量を適切に摂取する場合、安全性に問題はないと考えられるため、安全性の評価は十分であると判断した。
カ.科学的根拠の質
採用文献のエビデンス(科学的根拠)総体について、バイアスリスク(偏りの危険性)は低(0)、エビデンスの強さは強(A)と評価した。なお、日本で実施された研究6報のうち、4報が当該の機能性を肯定しており、日本人への外挿性に問題はないと考えられる。よって、機能性関与成分DHA・EPAを1日当たり133 mg以上摂取することにより、中性脂肪を低下させる機能が認められると考えられる。
ただし、本研究レビューの限界として、サンプリングバイアス(被験者の偏り)や言語バイアス(英語と日本語のキーワードのみで検索を行ったことによる偏り)が完全には否定できないことが挙げられる。
(構造化抄録) |