【標題】
熟成にんにくエキスを含む食品の摂取が睡眠の質、及び日常生活で生じる疲労感に及ぼす機能の検証
【目的】
健康な男女が、熟成にんにくエキスを含む食品を摂取した場合、本エキスを含まない食品と比べて、睡眠の質が向上するか、及び日常生活で生じる疲労感が軽減するかを検証した。
【背景】
にんにくは滋養強壮によいとされており、そのイメージから睡眠に関する研究はほとんどない。また、独特の風味や消化器系への刺激から、毎日食べることが困難である上に、プラセボ(有効成分を含まない以外は同じ外見、風味のもの)の設定も難しく、科学的に信頼性が高い方法でのヒト試験の報告がほとんどない。そのため抗疲労効果の有無も不明確であった。そこで新たに水抽出したにんにく成分を加熱熟成した「熟成にんにくエキス」、及びこのエキスを含む本届出品を開発した。本届出品はにんにく独特の刺激臭が減り、そのままでも食べやすいため、継続摂取及びプラセボの設定が可能となった。そこで今回、本届出品の臨床試験を実施し、睡眠の質及び日常生活で生じる疲労感への影響を調べた。なお、臨床試験は2つ行い、①睡眠と疲労感についての試験、②疲労感についての試験から本届出品の機能性を評価した。
【方法】
臨床試験①
健康な18-65歳の男女29名を試験の対象者とした。参加者をランダムに2群に分け、一方は熟成にんにくエキスを含む本届出品5gを、他方は本エキスを含まないプラセボ5gを12週間摂取した。各群への割り当ては、医師、試験担当者、参加者にわからないようにした。摂取0, 12週間後の起床時に睡眠の質、疲労感を評価した。睡眠の質の評価は、日本人において妥当性が得られ、かつ当該分野において学術的に広くコンセンサスを得られているOSA睡眠調査票MA版(OSA-MA)を用いた。疲労感の評価は、視覚的アナログスケール(VAS)にて行った。疲労感に関するVASは日本疲労学会において主観的な疲労感の評価に用いられている。試験費用については、株式会社桃屋が負担した。
臨床試験②
健康な20-65歳の男女49名を試験の対象者とした。参加者をランダムに2群に分け、一方は熟成にんにくエキスを含む本届出品5gを、他方は本エキスを含まないプラセボ5gを4週間摂取した。各群への割り当ては、医師、試験担当者、参加者にわからないようにした。摂取0, 2, 4週間後に疲労感を評価した。疲労感の評価は、午前中に実施したVASにて行った。試験費用については、主に株式会社桃屋が負担し、一部に女子栄養大学栄養科学研究所の助成を受けた。
【主な結果】
臨床試験①
本届出品群15名、プラセボ群14名に割付けたが、プラセボ群に記録用紙に不備があった者3名、供試食の摂取率が80%未満の者1名がおり、解析対象から除外した。データ解析の結果、本届出品を摂取した群ではプラセボを摂取した群と比べてOSA-MAの睡眠の質に関する総合スコア、「入眠と睡眠維持」、「疲労回復」に関する因子のスコアが向上し、疲労感が軽減した。
臨床試験②
本届出品群25名、プラセボ群24名に割付けたが、摂取割合が85%未満の者、生活が大きく変わった者を除き、各群22名のデータを解析した。本届出品群の疲労感は、プラセボ群と比較して摂取4週間後に軽減した。
【科学的根拠の質】
両臨床試験とも、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験により実施したため、結果の信頼性は高いと考えられる。また対象者は健康で一般的な生活を送っている人であり、多くの方に適用できる結果と考える。論文は専門家の査読を経て医学系専門誌に掲載されている。以上から本届出品の睡眠の質を向上する機能、及び日常生活で生じる疲労感を軽減する機能の科学的根拠の質は高いと評価した。 |