【表題】
DHA・EPAによる認知機能(記憶力、注意力、判断力)に関する研究レビュー
【目的】
健常人に対してDHA・EPAの経口摂取が認知機能(記憶力、注意力、判断力)の維持する作用がみられるかを検証しました。
【背景】
DHA・EPAの経口摂取による認知機能への影響については多数の報告がされているが、健常人(MCIを含む)を対象とした場合の有効性を整理した研究レビューは限られている。
本研究レビューではDHA・EPAによる認知機能(記憶力、注意力、判断力)の維持についての知見を精査し、研究レビューとした。
【レビュー対象とした研究の特性】
文献検索は、RCTとし、リサーチクエスチョン「健常成人がDHA・EPAを摂取することで認知機能を維持する機能が見られるか?」に基づいて検索式を設定し、2つのデータベースより文献検索を実施した。
【主な結果】
採用文献全14報のうち、記憶力に関する文献は13報で、うち8報で記憶力維持の機能性を認めた。注意力に関する文献は7報で、うち5報で注意力維持の機能性を認めた。判断力に関する文献は7報で、うち4報で判断力維持の機能性を認めた。記憶力については有効性を認めた8報の1日あたりのDHA,EPAの摂取量は285mg~2,550mg(2.55g)であった。注意力については有効性を認めた5報の1日あたりのDHA,EPAの摂取量は285mg~2,550mg(2.55g)であった。判断力については有効性を認めた4報の1日あたりのDHA,EPAの摂取量は603.2mg~1,200mg(1.20g)であった。
本品は1日あたりの摂取目安量中にDHA・EPAの合計800mg以上含んでおり、totality of evidence の観点から、認知機能の一部である記憶力、注意力、判断力を維持する機能に関して肯定的であると判断した。
【化学的根拠の質】
採用文献のエビデンス総体について、バイアスリスクは低(0)、エビデンスの強さは強(A)と評価した。日本人を対象とした研究4報中3報で認知機能の維持を認めており、日本人への外挿性に問題はないと考えられる。よって、機能性関与成分として、記憶力の維持については1日あたりのDHA,EPAの摂取量は285mg~2,550mg(2.55g)、注意力の維持については1日あたりのDHA,EPAの摂取量は285mg~2,550mg(2.55g)、判断力の維持については1日あたりのDHA,EPAの摂取量は603.2mg~1,200mg(1.20g)で機能が認められると考えられる。 |