【標題】
機能性関与成分「ジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3」による、LDLコレステロールの酸化抑制機能に関するシステマティックレビュー
【目的】
健常成人がジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3を摂取した場合の血中のLDLコレステロールの酸化抑制機能を有するか評価することを目的とし、研究レビューを行った。
【背景】
動脈硬化の発症・進展には代謝異常や炎症、酸化ストレスなど様々な要因が複雑に絡み合っているが、酸化LDLは動脈硬化の成因として重要な役割を担っていると考えらる。2008年には血中酸化LDLの健康保険適応が認められ、動脈硬化のバイオマーカーとしての有用性が認められた。
また、ジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3には、血中酸化LDLコレステロールを低下させることが報告されている。そこで、本レビューでは、ジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3を摂取することによるLDLコレステロールの酸化抑制機能の検証を行った。
【レビュー対象とした研究の特性】
複数のデータベースを用いて英語及び日本語の文献検索を行い、RCT(ランダム化比較試験)のデザインに基づく2報の研究論文を採択した。
【主な結果】
ジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3には、1日あたりジンセノサイドRg1として7,83mg以上、Rb1として12.78mg以上、Rg3として0.39mg以上摂取することにより、血中の酸化LDLコレステロール値が有意に低下し、LDLコレステロールの酸化抑制機能を有することが確認された。
【科学的根拠の質】
本レビューの限界としては、採用論文が2報と少なく、メタアナリシスによる検証が行われていないことが挙げられる。しかしながら、評価の対象は質の高い臨床試験とされているRCTであり、本研究レビューにおける有効性が認められていることから、科学的根拠の質は高いと考えられる。 |