もち麦おにぎりに含まれる機能性関与成分「大麦β-グルカン」の食後血糖値の上昇抑制する機能について以下の通り研究レビューを実施した。
【標題】
大麦β-グルカンによる食後血糖値の上昇をおだやかにする機能に関する研究レビュー
【目的】
健常者において、大麦β-グルカンの単回摂取が食後血糖値に与える影響について明らかにする為の定性的研究レビューを目的とした。
【背景】
最近、大麦に含まれる水溶性食物繊維である大麦β-グルカンが各種機能性を有する物質として注目されており、食後血糖値の急激な上昇を抑制するとする文献も報告されている。しかし、これらの論文を評価した研究レビューは報告されていない。
【レビュー対象とした研究の特性】
3つのデータベース(PubMed、JDreamⅢ、医中誌Web)を用いて、目的に合致した文献を検索した。採用した文献2報(文献1:日本人を対象とした文献、文献2:英国人を対象とした文献)について、いずれの試験デザインもRCT試験であり、対象者は成人健常者であった。
【主な結果】
採用した文献2報において、食後血糖値の上昇をおだやかにする指標である食後血糖値のピーク値と、食後血糖の上昇曲線下面積値の2つの値について評価を行ったところ、2報共に両指標において有効性が確認された。効果が確認された2報の大麦β-グルカンの摂取量は1,055mg/日以上であった。群間有意差が認められた摂取量は、文献1では1,055mg/日、文献2では4g及び8g/日であった。文献2において、2g及び6g/日摂取では群間有意差が認められなかったが、対照群と比べて食後血糖値の上昇が抑制されていることから、大麦β-グルカンの効果の一貫性は保たれていると考えられた。したがって、1,055mg/日の摂取は食後血糖値の上昇をおだやかにすると結論付けた。
【科学的根拠の質】
本研究レビューにおけるバイアスリスクは中程度であるが、採用した2報の試験デザインはすべてRCT試験であり、いずれの文献も査読付き文献であることから研究の質は高いと判断した。 |