1.標題
非変性Ⅱ型コラーゲンによる関節の柔軟性、可動性に関するシステマティックレビュー
2.目的
健常者(健康な成人男女)を対象とした非変性Ⅱ型コラーゲンを含む食品を摂取した群が、非摂取群(非変性Ⅱ型コラーゲンを含まない食品を摂取した群)と比較して関節の柔軟性、可動性への効果について、科学的に評価することを目的とした。
3.背景
非変性Ⅱ型コラーゲンは、これまでに関節症患者において経口免疫寛容作用で関節の痛みや腫れなどに有用であることが報告されている。そこで、健常者における関節への機能性(柔軟性、可動性)における効果についても期待できると考えられる。
4.レビュー対象とした研究の特性
対象とした国内外のデータベースにおいて、健常者を対象に非変性Ⅱ型コラーゲンの経口摂取によって関節への機能性を検討したランダム化コントロール比較試験(RCT)を実施した文献を検索した。抽出した研究論文に関して、質の分析を行いエビデンスの強さを評価した。
5.主な結果
文献調査を行った結果、採用論文は1報であった【J Int Soc Sports Nutr, 2013, 10(1), 48.】。健常者において非変性Ⅱ型コラーゲン(1日当たり10 mg)を経口摂取することにより、非摂取群に比較して関節の可動域である曲げ伸ばし範囲(すなわち柔軟性、可動性)の有意な改善が認められた。また、非変性Ⅱ型コラーゲン摂取における有害と判断される事象は認められなかった。ただし、エビデンスの強さの評価については、当該論文が1報であったことから一貫性などの分析は行えず、また研究規模(非変性Ⅱ型コラーゲンを含む食品を摂取した群(介入群)27名、非変性Ⅱ型コラーゲンを含まない食品を摂取した群(対照群)28名)が中程度であり、資金源も民間会社の研究論文であったため、エビデンス総体としては中程度と評価された。
6.科学的根拠の質
採択・評価された研究論文は1報ではあったが、査読付き論文であり研究デザインがランダム化コントロール比較試験であったため、エビデンスの質は高いと考えられる。研究の限界として、未発表の研究データが存在する可能性が否定できないこと、出版バイアスの可能性が否定できないことが挙げられる。本研究レビューにより、非変性Ⅱ型コラーゲンを1日10 mg摂取することは、関節への機能性(柔軟性、可動性)に有用であることが確認された。
以上のことから、当該製品の機能性表示は適切であると判断した。 |