トマトジュースは以下の様に充分な喫食実績があり、また機能性関与成分であるリコピンについても、既存情報により安全性が確認できているので、届出者は本製品「カゴメトマトジュース高リコピントマト使用食塩入り」は安全な製品であると評価しています。
届出者が販売するトマトジュースは国内では1933年から販売されている食経験の長い製品です。国内では、年間で約8万トン以上生産されており、上位2社で生産量の8割前後を占めています(1)。届出者は、国内では累計218百万函(1,243万トン相当)のトマトジュースの販売実績があります。食品なので摂取量は決まっていませんが、1日の摂取目安である缶容器(160g、190g)、紙容器(200ml)、PET容器(280g)1本、あるいはPET容器(720ml)や紙容器(1000ml)のコップ1杯で約16~28mgのリコピンが含まれています。トマトジュースは全国で販売されており、幅広い年代層の方々に摂取されていると考えています。
唯一報告されているリコピン摂取による有害事象に、カロテン血症があります。カロテンを多量に摂取した際に血中のカロテン値が上昇し、皮膚の色が黄色くなる状態がカロテン血症です。食品やサプリメントよりβ‐カロテンを多く摂取するとこの症状があらわれることが知られていますが、リコピンに関する報告例はきわめてわずかです。また、米国健康医学諮問機関では、カロテン血症は、生物学的に無害であると認めています。
以上のように、本邦を含む全世界における長い喫食経験において、また、今回のSRに用いた論文並びに既報および公的なデータベース情報から、生鮮、ジュース、調理品、サプリメント等の最終摂取形態に関係なく、トマト並びにリコピンに関する重篤な健康被害報告はみられません。したがって、届出者は本品を1日摂取目安量である1本(265g)を摂取した場合には、ヒトの健康に害を及ぼすことはないと評価致しました(別紙様式(II)参照)。
参考文献:
1.中村光次,国産加工原料用トマトの生産の動向と課題,農林金融,8,42-56 (2002) |