1.食経験
我々の食事にはかなりの量のグルコシルセラミドが含まれることが報告されている。米由来グルコシルセラミドの販売開以来、約1億3000万食(米由来グルコシルセラミドの総重量240トンを推奨摂取量1.8㎎/日で割った値)の喫食実績があるが健康被害は確認されていない。
2.既存情報による安全性調査結果
米由来グルコシルセラミドの安全性情報の文献は見当たらなかった。しかし、こんにゃく芋由来グルコシルセラミドのヒト試験(12週間連続摂取試験[グルコシルセラミド1.8mg/日]及び4週間連続3倍過剰摂取試験[グルコシルセラミド5.4mg/日])において問題は認められなかったため、同等性のある米由来グルコシルセラミドも安全であると考えられる。
3.安全性試験結果
①単回投与毒性試験による評価
マウスにセラミド含有米抽出物5000mg/kg体重(米由来グルコシルセラミド150mg/kg体重)を投与しコントロール群と比較した結果、死亡例はなく、一般生存状態、体重変化、臓器に異常は認められなかった。従ってマウスに対するセラミド含有米抽出物のLD50値は5000mg/kg(米由来グルコシルセラミド150mg/kg)以上と考えられた。
②28日間反復投与毒性試験による評価
マウスにセラミド含有米抽出物0.2mL/kg(米由来グルコシルセラミド60mg/kg)を反復経口投与した結果、死亡例はなく、一般生存状態、体重変化、臓器、血液に異常は認められなかった。従ってマウスに対するセラミド含有米抽出物の無毒性量は0.2mL/kg(米由来グルコシルセラミド60mg/kg)以上と推定された。
③医薬品との相合作用
文献調査の結果、医薬品との相合作用に関する報告はなかった。
④まとめ
以上より、米由来グルコシルセラミドを含む原材料であるセラミド含有米抽出物は基本的な安全性に懸念はないと考えられた。
【引用文献】
1) Yunoki K. et al. Analysis of Sphingolipid Classes and Their Contents in Meals. Biosci, Biotechnol, Biochem. 72(1):222-225(2008).
2) 内山太郎ら,こんにゃく芋粉抽出物配合飲料の健常者に対する長期摂取時および過剰摂取時の安全性の検討,薬理と治療,36(4):303-314(2008). |