(ア)標題
甘草由来グラブリジン(以下、機能性関与成分)の体脂肪の増加抑制に関する研究レビュー
(イ)目的
「正常高値及び肥満1度[BMI(Body Mass Index:肥満度):24以上30未満]の成人(以下、軽度肥満者)に(P)、機能性関与成分を摂取させると(I)、対照(プラセボ摂取又は機能性関与成分摂取前)に比べて(C)、体脂肪の増加を抑制するか(O)」を検証した。
(ウ)背景
機能性関与成分の軽度肥満者を対象とした体重と体脂肪に対する効果は複数の文献で報告されているが、総合的に評価した研究レビューはない。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
日本語及び外国語文献のデータベースを用いて、軽度肥満者を対象として機能性関与成分摂取による体重と体脂肪に対する効果を調べたプラセボ対照無作為化コントロール試験を検索した。対象文献は2報であった。対象文献の著者にはレビュー実施者(株式会社カネカ社員)が含まれるが、試験の実施及びデータ解析にはレビュー実施者は関与せず、臨床試験受託機関である株式会社TTCが実施した。また掲載雑誌には著者との間に利益相反はない。
(オ)主な結果
対象文献2報は、機能性関与成分摂取による体重、BMI及び体脂肪の増加抑制に対して肯定的結果であった。
Tominagaら(2006)では、軽度肥満の日本人男女に機能性関与成分3㎎/日を夕食前に12週間摂取させた時、プラセボ摂取に比べて体重及びBMIの明確な増加抑制が見られた[参考文献1]。さらに、体重と体脂肪量の低下の間に正の有意な相関が見られた。Tominagaら(2009)では、軽度肥満の日本人男女に機能性関与成分3,6,9㎎/日を夕食前に8週間摂取させた時、摂取前後またはプラセボ摂取群との比較で体重及び体脂肪が明確に低下した[参考文献2]。いずれの試験においても、機能性関与成分に起因する有害な変化はなかった。
(カ)科学的根拠の質
対象文献2報は試験規模が大きく(参加者100名前後)、対象者は軽度肥満の日本人成人男女であり、結果のばらつきも低く、質的評価は高かった。よって本研究レビューの結果、本届出商品に配合する夕食前に機能性関与成分を3mg/日摂取することにより、体脂肪の増加抑制が確認され、表示しようとする機能性は適切であると考えられる。対象文献が2報と少ないことが研究の限界であり、今後更なる検証が望まれる。
[参考文献1]
Tominaga Y et al., Licorice flavonoid oil effects body weight loss by reduction of body fat mass in overweight subjects,Journal of Health Science, 52(6), 672-683, 2006.
[参考文献2]
Tominaga Y et al., Licorice flavonoid oil reduces total body fat and visceral fat in overweight subjects: A randomized, double-blind, placebo-controlled study, Obesity Research & Clinical Practice, 3, 169-178, 2009.
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